・・・別に自分が書いてて混乱するから作った訳ではないですよ?
ですがそれ以外の作品にもいい作品はあるわけで。
前に扱った『化物語』もその1つですが、今回は別の作品を。
今回ご紹介するのは『きみとぼくの壊れた世界』です。
![]() | きみとぼくの壊れた世界 西尾 維新 (2003/11) 講談社 この商品の詳細を見る |
維新、全開!これぞ「きみとぼく」本格ミステリのすべて!
ミステリの伝言ゲームは続いている!
禁じられた一線を現在進行形で踏み越えつつある兄妹、櫃内様刻(ひつうちさまとき)と櫃内夜月(よるつき)。その友人、迎槻箱彦(むかえづきはこひこ)と琴原りりす。
彼らの世界は学園内で起こった密室殺人事件によって決定的にひびわれていく……。
様刻は保健室のひきこもり、病院坂黒猫(びょういんざかくろねこ)とともに事件の解決に乗り出すが――?『メフィスト』に一挙掲載され絶賛を浴びた「体験版」に解決編を加えた「完全版」。
『戯言シリーズ』は全9巻(ディクショナルを入れれば10冊)で、しかも1冊1000円近くするわけで。それに手を出すのにはかなり勇気が要りました。
そういうこともあって、西尾維新の作品の中で最初に自分が手を出したのは『化物語』でした(読んだのは大分後でしたが)。そして次に手を出したのがこの「きみとぼくの壊れた世界」だったんです。
最初の主人公と妹の会話の時点で、登場人物たちの壊れっぷりが気に入って買いました(もう病気じゃないのだろうか)。
これは本格ミステリです(ライトノベルにジャンル分けするのは微妙かもと感じるくらい)。
自分が読んだミステリ系のラノベの中でもトップクラス。
もしかしたらミステリが読みたいという人よりも、ミステリってなんだろうという人に向いているかもしれません。
「ミステリ」そのものについての丁寧な解説も入っていますし、「フーダニット・ハウダニット・ホワイダニットって何?」という方でもよく分かります(自分も結構勉強になった)。
雰囲気というかそういう感じのものは前紹介した『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん―幸せの背景は不幸』に似ているかもしれません。
でも、そこは西尾維新。世界の壊れっぷりでも、ミステリとしての質としても上だと思います。
どうでもいいですけど、病院坂黒猫のキャラにハマったら危ないですよ(かくいう自分も(以下自粛
そして、『断章のグリム』・『文学少女シリーズ』がそれに追随している感じです。
その状態がしばらく続いていたのですが、最近『ムシウタ』がこの一角に喰いこみ始めました。
というわけで、今回はその『ムシウタ』をご紹介。
![]() | ムシウタ03 夢はばたく翼 岩井 恭平 (2004/04/28) 角川書店 この商品の詳細を見る |
人の夢を喰う代わり、宿主に超常の力を与える「虫」が出現して10年。大助と虫憑きの少女・詩歌が出会い、惹かれあう時、運命の歯車は回りだす。大助は特務機関員にして最強の虫憑き「かっこう」だったのだ――!
なぜ3巻かというとこのシリーズにおいてかなり大きな転機になっていることと、ストーリーが非常に好きだからです(とはいえまだ3巻までしか読んでいないのだけれど)。
『十二国記』の「風の万里 黎明の空」のストーリーによく似ていると言ったら分かりやすいでしょうか。少女たちが悩みながらも協力してお互いの夢のために頑張る。こういうのが個人的には結構ツボだったりします。
面白いという話を聞いていながら中々手が出なかったのですが、アニメ化が決まったこともあって買ってみました。
『灼眼のシャナ』や『とある魔術の禁書目録』のような作品とは違い、中々厳しい世界観をもっているのが特徴的です。タイプ的には『断章のグリム』に結構近いかと。
戦うために自分が無傷ではいられないところや、戦う相手自体が分からなくなるというストーリーにはとても惹かれます。
決して安易にハッピーエンドにならないストーリー。「虫」の力を使うために自分の夢を必要とすることで、描かれる登場人物たちの胸に秘めた思い。強硬策であるため誰にも認めてもらえず、逆に恨まれる主人公たち。これほどラノベに向いている作品はないのではないかと思います。
まだ3巻までしか読んでいませんが、十分オススメするに足る作品だと思います。・・・アニメはどうなっているのかが少し気がかりですが。
一回書いたのに削除するのは辛かった(〜〜。) シクシク
というわけで今回は先月発売されたばかりの『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん―幸せの背景は不幸』です。
![]() | 嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん―幸せの背景は不幸 入間 人間 (2007/06) メディアワークス この商品の詳細を見る |
御園マユ。僕のクラスメイトで、聡明で、とても美人さんで、すごく大切なひと。彼女は今、僕の隣にちょこんと座り、無邪気に笑っている。
リビングで、マユと一緒に見ているテレビでは、平穏な我が街で起こった誘拐事件の概要が流れていた。誘拐は、ある意味殺人より性悪な犯罪だ。殺人は本人が死んで終了だけど、誘拐は、解放されてから続いてしまう。ズレた人生を、続けなければいけない。修正不可能なのに。理解出来なくなった、人の普通ってやつに隷属しながら。
──あ、そういえば。
時間があれば、今度質問してみよう。
まーちゃん、キミは何で、あの子達を誘拐したんですか。って。
第13回 電撃小説大賞の最終選考会で物議を醸した問題作が登場!
自分で言うのもなんですが、タイトルを見ると自分が病んでると思う・・・。
「第13回電撃小説大賞の最終選考会で物議を醸した問題作」と帯に書いてあったのが目に留まって、手にとってみました。
ジャンルとしてはミステリーだと思います。一言で形容するならば「乙一」。それも「黒乙一」みたいだなと感じました。
第3章の最後はすごいセンスを感じたし、序盤から邪魔にならない程度に伏線を張ってある。下手な乙一の作品より面白かったです。
主人公たちの設定は・・・確かに問題作といわれるだけのことはあります。でも、その難しい設定を使うと非常にオチが作りづらいもの。主人公が普通になるのは違和感があるし、かといって狂気になると作品として後味が悪くなってしまいます。
それを上手くまとめきったと思います。この作者の次作には期待したいなと感じました。
余談ですが、作者の名前が「入間人間」というのは結構笑えない気がする(^^ゞ
というわけで、つい先日新エピソードを追加してハードカバー化された第10回電撃ゲーム小説大賞(2003年)で大賞を受賞した『塩の街 wish on my precious』です。
![]() | 塩の街 有川 浩 (2007/06) メディアワークス この商品の詳細を見る |
塩が世界を埋め尽くす塩害の時代。 塩は着々と街を飲み込み、社会を崩壊させようとしていた。
その崩壊寸前の東京で暮らす男と少女。 男の名は秋庭、少女の名は真奈。
静かに暮らす二人の前を、さまざまな人々が行き過ぎる。
あるときは穏やかに、あるときは烈しく、あるときは浅ましく。 それを見送りながら、二人の中で何かが変わり始めていた。
そして――「世界とか、救ってみたいと思わない?」。 そそのかすように囁く男が、二人に運命を連れてくる……。
圧倒的な筆力で贈るSFラブ・ファンタジー!
結構前からこの作品の存在は知っていましたが、SFという個人的に苦手なジャンルだったこともあってテをつけていませんでした(最近はよく読む)。ハードカバー化されるということを聞いて、「あっ、面白かったんだ」と思い、読むことにしました(動機が不純)。
作りとしては、『いぬかみ』に近いでしょうか。一応時系列は通っているものの、短編集のように1章1章が独立した話になっています。そして、一つ一つのストーリーにこめられたメッセージが濃い。そして、それによってこの作品の世界観に引き込まれました。
また、出てくるキャラクター1人1人が抱えている問題にとてもリアリティがあることに好感を持てます。それから、普通ラノベの主人公といったら中学生〜高校生が相場。年をとっていても20歳が限度なのに対して、この作品の主人公は30才前である点。また、女性らしい女性はヒロインしかいない(つまりハーレム的ではない)という点。これらの点で他作品に比べてリアリティがあると思います。
オチ自体はベタベタでしたが、それすら爽快感を感じられるいい作品でした。伊達に大賞とってませんね。
気になることは、この作品のメインテーマである塩害の説明。あまりな内容だったので、少し世界観が揺らいだ気がします。まぁ、もともと設定自体がSFだったので仕方ないのかもしれませんが。
ハードカバー版は1600円と高め。読んでみようと思われたならまず文庫版からをオススメします。「この作品は好きだ!」と思ったときハードカバーを買うのが無難かと。もし、この作者にハマったのならば、『図書館戦争シリーズ』に手を出すのもいいかもしれません。













